Reader

好きな本を好きなだけ。

Reader

好きな本を好きなだけ。

読書はスキルアップだけじゃない!又吉の読書に対する考え方

夜を乗り越える

又吉直樹

「なぜ本を読むのか?」そんな問い掛けをしてくる人がいる。本好きの人の答えは一様に「面白いから」と回答することだろう。

 

読書=勉強と思っている方が多いのかもしれないが、ちょっと手に取って読んでみてほしいものである。芸人で作家でもある又吉直樹さんの言葉を感じて本を好きになってほしい。

父の言葉が始まりだった

又吉直樹が今あるのは、父の「あんま調子乗んなよ!」の言葉。そう言っても過言ではないだろう。


親戚の集まりで乗り気ではないが父に促されて躍った又吉少年は、人を笑わす快感を味わうことになる。けれど、そんな息子に嫉妬する衝撃的な父の言葉に表現する恐ろしさも学ぶことにもなるのだった。


又吉の人格形成の原点はここにあるのだろうか?


少年又吉は今の又吉とはどことなく違ったイメージを持つ。明るく元気で頼られる又吉少年であったが、実は演じていたのである。

 

自信を持って紹介することはできないがが、好きな家族ではある。そんな中、又吉少年は文学に出会う。勉強はできなくても本は好きであった。勉強と読書は違うということ。


太宰治の『人間失格』に又吉少年は自分と重ね合わせて読んでいたようで、この出会いが太宰治を好きになるきっかけだったのかもしれない。

創作、そして『火花』へ

吉本お笑い養成所NSCへ入っても読書はかかせないものだったようだ。お金がなくてもどうにか本を読む。そのことが、芥川賞を受賞した『火花』の執筆へと繋がったと思われる。読書をしない人には小説は書けないと言われるし、それに苦労した経験が糧となったことも関係しているだろう。


吉本興業の広報誌にコラムを書いていたこともあるようで、この経験は大きかったのかもしれない。

 

又吉さんは最初『線香花火』というコンビで相方も違っていた。これはファンの人は知っていただろうか?知らないことを知るというのも、エッセイを楽しめる理由の一つになる。ピースとしてコンビを再結成したことも、もしかしたら又吉の転機だったのかもしれない。

 

今までとのやり方を変えなければいけなくなることで新たな又吉が出来上がったとも言える。


芝居の脚本まで手掛けるようになっていたようである。読むと同時に書くということを繰り返した結果が今に至ると言えるだろう。

 

はじめての本『カキフライが無いなら来なかった』では自由律俳句、散文を書いており、この頃に他の作家さんの本の帯も書いているようである。小説ではないが、たくさんの著書を出版している。『第2図書係補佐』『東京百景』『鈴虫炒飯』『新・四字熟語』などがある。


そして芥川賞受賞作となる小説『火花』が誕生した。才能とはすごいものだと感嘆している。尊敬に値する存在であることは間違いない。

近代文学・現代文学と又吉直樹

又吉直樹といえば、やはり太宰治だろう。


熱狂的な太宰治ファンからは「お前ごとすきが太宰を語るな」なんて厳しい言葉を投げつけられることもあるそう。直接言われたわけではないようですが、そういうものなのだと思うと、ちょっと怖い思いもする。しかし、太宰治に関しては熱く語られている。

 

ただ初めて全作品を読んだものは芥川龍之介だったそうようで、『火花』に大きく影響したものは芥川龍之介の作品だったのかもしれない。芸人としてもそれは同じだったのだろう。


近代文学では夏目漱石、谷崎潤一郎、三島由紀夫、織田作之助、上林暁。現代文学では遠藤周作、古井由吉、町田康、西加奈子、中村文則にも又吉に影響を与えていたと思うと、この機会に読んでみたいと思わせてくれるだろう。


たくさんの本を読み、そこから自分を見つめる。本の中に答えはない。答えは自分の中にしかないということをここで語っている。


誰しも迷うことはある。本の中に答えはなくても、本が答えを導き出すヒントをくれるかもしれない。

又吉直樹と本

読書とは中毒性が高いものである。そう語る又吉に同じ意見を持つひとも多いのではないだろうか?


出版不況の世の中とは言え、すぐに本が姿を消すようなことはないはずだ。読書好きの人達がいるうちは、又吉直樹のような人がいるかぎり活字離れを少しは盛り返すことが出来ると信じたいところである。


「なぜ本を読むのか?」というテーマで書かれた本書は、何か惹かれるものがあるだろう。


『小説に対峙する時は、いつでもただ読みたいのです』という言葉は頷ける。本は読みたいから読むのであり、面白いから読むのである。


本書を一度手に取って読んでみてほしい。本好きじゃなくただ又吉直樹ファンとしてだけでも手に取る理由にはなると思う。そこから本というものを考えてみてはいかがだろうか?